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ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

ジャン・グリヴォー ヴォーヌ・ロマネ  2017

購入日    2022年6月
開栓日    2022年12月
購入先    WINE NAVI
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   7,475円(税込)

 

前回のルーミエのクロ・ド・ラ・ブシエールで鬱々となったので、

気分を晴らすべくグリヴォーのヴォーヌ・ロマネを開栓した。

楽天市場を通さず、ネットショップのWINE NAVIからの直接購入である。

 

最近購入したものだが、よくまあ残っていたなあと思われるお買い得ワインであった。

さっきショップを覗いたらすでに売り切れになっている。

 

これはもう典型的なヴォーヌ・ロマネで、開栓直後の香りからしてスパイス香がゆったりと香る。

ほのかに甘い果実味も備えており、ヴォーヌ・ロマネ村名として非の打ち所がない。

先日阪急百貨店でやっと購入できた今年のモンドールチーズをあてに、するすると開けてしまった。

 

15年前頃は、こんなレベルのブルゴーニュを毎日飲んでいたなあと懐かしく思う。

その頃より多少裕福になっているというのに、日常開けているワインの質が下がっているのは

一体どうしたことだろう。

 

グリヴォーのヴォーヌ・ロマネ村名はネット市場ではなかなか見つからず、

2万円くらいする1級ものは今でも購入できるようだ。

今の時代を考えると、この程度の価格は仕方が無いのだろう。

 

セラーにはまだ数百本のブルゴーニュが寝ているが、

来年もワインとの良い出会いがありますように。

 

 

 

ドメーヌ・ジュルジュ・ルーミエ モレ・サン・ドニ 1er クロ・ド・ラ・ブシエール 2001

購入日    不詳(2004年頃)
開栓日    2022年12月
購入先    不詳
インポーター 松澤屋
購入価格   10,000円くらい

 

なぜかこのワインの購入歴が見つからないので、いつから自宅にあったか不明な一本である。

1996、2002,2005年の購入歴はあり、2002年までは10,000円ほどだったが、

2005年ものは17,000円以上になっており、それ以降買うのを止めた。

現在のネット価格を調べると、80,000~120,000円くらいになっている。

 

保存状態は万全で、室温から上げていくとゆるやかに柔らかくなってくる。

しかし香りは地味で、いかにもくぐもったモレ・サン・ドニらしい。

気品はあるものの味わいも陰気で華がなく、一言で言えば

正装しているがちっとも魅力がない美人といったところ。

失礼ながら、華やかなパーティー会場で壁の模様になっている女性に例えられるワイン。

 

この1級畑はルーミエのモノポールだったと思うが、1995年もの始め

これまでに何本か開けた経験があるが、どのボトルもこんな感じだった。

2時間でピークを迎えて半分開けて初日は終了し、翌日に期待したがかなり落ちていてガッカリ。

翌日の枯れの早さはヴィンテージによるものだろうか。

2日かけて飲んでいると陰々滅々となってしまう。

 

何となく品位はあるので1級畑だろうと類推できるものの、

名手ルーミエをしてでもこの程度のワインしかできないのだから、

良くも悪くもこれこそが畑の特徴なのだろう。

 

先日ラブワインさんが来阪された際に開けた、同じルーミエの

シャンボール・ミュジュニー 1erレ・クラは、

比べものにならないくらい魅力的なワインだったから、畑の限界は超えられないのだ。

 

1万円でも2度と買う気にならないのに、現在価格が8万円と知ると目が飛び出る。

畑の実力に見合わない値付けで、ルーミエというブランドに付いた市場価格なのだろう。

現在のブルゴーニュワインの市場はどうかしているとしか思えないが、

世界的なニーズがあるとはいえ、ブランドに振り回されている飲み手にも問題はありそうだ。

 

 

トヨタ GRヤリス RZ

 

わたしはJR全線を完乗(北海道新幹線新青森ー函館北斗間を除く)している乗り鉄で、

クルマで出かけるのは基本的に好まない。

昨年まで乗っていたメルセデス・ベンツCクラスの走行距離は、5年間でわずか1万キロであった。

 

しかし20年前までは6速マニュアルのアルファ・ロメオ156に5年乗っていたし、

その後もトヨタの6速マニュアル車であるオープン2シーターのMRSも10年間所有してはいた。

そのMRSは車体がチャチで、機械としての性能が低く、10年で1万キロ程度しか乗っていなかった。

 

もう年だからあと何台のクルマを所有できるか分からない。

鉄ちゃんだが、もう1回で良いから退屈なオートマではなくマニュアル車に乗りたい。

そう思っていたところ、2020年にトヨタが20年ぶりに自社単独開発のスポーツカーとなる

GRヤリスを発売した。

 

通常のヤリスとは全く違う新開発のエンジンを専用ボディに載せた特別なクルマで、

ラリー車のホモロゲーション・モデルとして24,000台生産されるらしい。

今年1月初めに6速マニュアルの最上級モデルを注文したところ、納車されたのは8月末であった。

 

この小さなモンスターのようなクルマは、わたしに運転の楽しさを20年ぶりに思い出させる

ことになった。

乗ったら降りたくなくなるクルマは、20年前に手放したアルファ・ロメオ以来である。

余談だが、今ではわが国ではアルファ・ロメオにマニュアル車の設定はない。

 

京都市北の山中に位置する 常照皇寺の山門

 

折しも、今は晩秋で紅葉の季節である。

ガーデニングに凝る家内を乗せて、久しぶりに大阪の北摂から休日ごとに北に向けてGRヤリスを

走らすようになった。

 

11月27日(日)、亀岡から北に向かい、35年ぶりに京北の常照皇寺に行った。

京都市内より紅葉は早く、すでに枯れた落ち葉が絨毯のようになっていた。

1ヶ月は遅かったようだ。

 

 

そこから周山街道を南に降りて高尾に至り、嵐山高尾パークウェイに入り、

嵐山高尾パークウェイの保津峡展望台から保津峡を臨む。

左にトロッコ列車(旧山陰本線)が走る鉄橋が見える。

 

久々にクルマで紅葉を見に出かけた休日であった。

 

清水寺の本堂の舞台

 

京都市内の紅葉は今が盛りである。

翌々日の11月29日(火)、夕方から「つか本」の予約が入っていたので、

雨天だったが1時間早く大阪を出て、清水寺まで登ってきた。

舞台に着いたら雨が本降りになってきた。

 

清水寺の門前の人だかり

 

 

暗くなる中、観光客で賑わう三年坂、二年坂というお定まりの石畳の道を下り、

18時につか本に着いたらびしょ濡れになっていた。

 

今年の初めはここも閑散としていたが、着実に人は戻ってきているようだ。

 

 

 

           

ドメーヌ・セシル・トランブレイ ヴォーヌ・ロマネ ヴィエーニュ・ヴィーニュ 2010

購入日    2012年12月
開栓日    2022年10月
購入先    かわばた酒店
インポーター 豊通食料
購入価格   7,980円(税抜)

 

徐々に対面の学会が増えてきた。

9月初めに2泊3日で札幌で開かれた日本排尿機能学会にほぼフルタイムで参加し、

演題2題の発表と座長を勤めてきた。

 

10月初めには和歌山で開かれた中部総会に演題を出して発表してきた。

年なので、もうこれからは学会のシンポジストの依頼は来ないだろうし、

若い人に機会を譲るべきだと思っている。

いつまでも職を辞さず、晩節を汚して老醜をさらす先輩を目の当たりにしているので、

なおさらそう思う。

 

シャンパーニュと日本酒ばかり開けていて、ピノ・ノワールの開栓本数が減っているが、

在庫は山ほどある。

とっとと開けないと死ぬまでに間に合わない、という意識が常にある。

 

蝶野さんからコメントを頂いたとおり、2000〜2010年ヴィンテージのブルゴーニュは

まだまだ残っており、徐々に開けていこうと思っている。

ワイン価格が暴騰したため、2010年以降のヴィンテージのワインは購入を止めたので

在庫は少ない。

 

さてこのワインだが、結論から言うと「可もなく不可もない酸っぱいワイン」であった。

果実実が少なく酸味が強く、ヴォーヌ・ロマネらしいスパイス香もわずかに感じるのみ。

ブラインドで飲んだら、オート・コート・ド・ニュイと言ってしまいそうだ。

 

3年くらい前に開けた同じ造り手・同じヴィンテージのシャンボール・ミュジュニーは

ほどよく橙色に熟成しており、シャンボール・ミュジュニーの美点を体現していたので、

今回のワインには外れではないものの少しがっかりした。

 

数本しか開けていないが、以前にコルクこの造り手のワインでコルクが万全で無いものがあった

ことを思い出した。

この時期のトランブレイは、ボトルごとのばらつきがあって安定感が乏しい印象がある。

 

まだ2〜3本残っているはずだが、これ以上保管しても美しく化けなさそうなので、

おいおい開栓していきたいと思う。

 

 

2022年9月29日、江坂のイタリアン カノビアーノ・アネックスにて、

「体験型ワインセミナー」が行われたので参加してきた。

今回のテーマはボルドーである。

 

今回が弐回目の参加で、前回はブルゴーニュであった。

ワインをセレクトするのはソムリエの畑さんで、お世辞抜きに「熱くて優秀な」ソムリエだと思う。

 

上記写真 左から

・ジャン・ルイ・バララン クレマン・ド・ボルドー キュヴェ・ロワイヤル NV

・シャトー・ラ・フルール・モランジェ マチルド 2019

・シャトー・クロ・ルネ 2019

・レ・オー・ド・スミス・ブラン 2020

・シャトー・デュルフォール・ヴィヴァン 2019

・シャトー・ギロー 2016 ソーテルヌのデザートワイン

・シャトー・カロン・セギュール 2009

 

1人分はたっぷり用意されていて、料理も素晴らしく、お腹いっぱいになって、酔っ払って帰った。

以上のワインを見ただけで分かる人にはわかると思うが、ボルドーの基本どころが

抑えられている。

 

おまけに出てきたのが、何とカロン・セギュールの2009であった。

1990年代、まだこのワインが5000円くらいで手に入った時代に、気に入って何本も飲んでいた。

当時のわたしは、まだまだブルゴーニュよりボルドーの方が開ける本数は多かった。

 

そんなカロン・セギュールも、今では20,000円近くになってしまっている。

今回の2009など、市場では30,000円の価格がつくだろう。

若のみでは結構カベルネ・ソーヴィニヨンのタンニンの骨格がしっかりしたワインだが、

角が取れて丸くなっている。

20年ぶりくらいかも知れない。実に懐かしい。

 

メインのシャラン産鴨胸肉のロースト

 

極上の料理とこんなに贅沢なワインを飲めて、会費はたったの16,000円!

今時こんな良心的な店がほかにあるだろうか。

 

 

2022年7月23日 本町のル・コントワール・デュ・グーにて

 

ワイン名は緑屋さんのブログから拝借 右から開栓順

ジョセフ・ペリエ ラ・コート・ア・ブラ2012 ピノ・ノワール100%

エムリッヒ・シェーンレーバー ハーレンベルク・リースリング・トロッケン GG 2019

ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ シャンボール・ミュジュニー 1er. レ・クラ 2006

 購入日 2009年3月

 購入先 Alcholic Armadillo

 インポーター Voltex

 購入価格 14,500円(税抜)

ドメーヌ・ドニ・モルテ ジュブレ・シャンベルタン Mes Cinq Terrois  2016

シャトー・マルゴー 2004

 

2年ぶりにラブワインさんが来阪され、緑屋さんとはるいちごさんとの4人で、

本町のル・コントワール・デュ・グーにて実に刺激的な時間を過ごした。

 

コロナのせいもあって仕事以外では引きこもり気味で、

ワインの達人たちとほぼワインだけを話題に飲食をする機会も減っている。

 

最近では酒より食に重点が移ってしまったが、この日ばかりは自宅ではお決まりのシャンパーニュ

(ベレッシュとタルラン)とお決まりの日本酒(白糸)を開けるだけの

進歩のない日常から爆発した気分だ。

 

赤ワインに関しては、緑屋さんがブラインド空中戦(知らない単語が頭の上を飛び交う、という意)

と書いておられるが、リースリングのコーナーでは緑屋さんとラブワインさんが

空中戦を繰り広げておられた。

 

ラブワインさんが持参されたシャンパーニュは、ピシッとしたミネラルがあり、

小さなチェリーの果実ととても細かい泡が舌を心地よく刺激する。

アイ村の単一畑のシャンパーニュで、だからこそ土壌のミネラルが明確である。

広域のブドウをまぜこぜにして造られている、クリュッグやドン・ペリから

テロワールを感じ取ることはできないのと対照的だ。

 

なので2本目のリースリングとの土壌の対比が面白い。

シャンパーニュがノンドザだったので糖度の違いは歴然としているが、

石灰の土壌と言われても自分には何が何かさっぱり分からない。

まさに球体のようなリースリングである。

一体緑屋さんはどこからこんな絶妙のリースリングを引っ張って来られるのだろうか。

 

あとの2本のピノ・ノワールに関しては、2人が書いておられる通りである。

ルーミエは13年前に購入したものだが、自宅での保管状態は万全であった。

 

それにしても、ブラインドで供されたルーミエを、造り手、畑、ヴィンテージまで

正確に当ててしまうラブワインさんには舌を巻く。

答えを知っているはるいちごさんと顔を見合わせて呆れるばかりであった。

 

4本目のドニ・モルテは、本来別の造り手のシャンベルタンを開けるはずだったが、

店の方が間違えてこれをブラインドで供された。

シャンベルタンと信じて疑わないわたしとはるいちごさんは、

「あれ?ちょっとおかしいな」とか言いながら騙され続けていたのだが、

ラブワインさんが「ドニ・モルテ」と発言される。

開けてビックリその通りで、いやはや恐れ入りました。

 

最後のシャトー・マルゴーはまさに癒やし系のワインで、すでにタンニンはまろやかになっている。

何より香りが高貴で柔らかい。

おまけにしては豪華すぎる。

 

コントワールのお二方、どうもごちそうさまでした。

次回もぜひよろしくお願いします。

 

翌日の自宅にて

 

マキシミン・グリュンホイザー・ブルーダーベルク・リースリング・トロッケン GG 2020

ジュリアン・メイエー リースリング ムエンシュベルク グラン・クル 2012

 購入日 2015年5月

 購入先 湘南ワインセラー

 インポーター ディオニー

 購入価格 5184円(税込)

ジャッキー・トルショー シャルム・シャンベルタン 2004

 2006年頃 大阪市内のマキコレワイン取扱店で購入

 インポーター 千商

 購入価格 失念 15,000円くらい?

シャトー・レ・フォール・ド・ラトゥール 2005

 

翌日は自宅でラブワインさんと緑屋さんの3人で、恒例の飲み会である。

緑屋さんの真骨頂グリュンハウスのブルーダーベルクは狭い畑だそうで、

毎年このワインはできないらしい。

これまでアプツベルクとヘレンベルクは何度も飲ませて頂いているが、この畑は初めてだと思う。

しかし当然ながら違いはよく分からない。全部美味しい。

確かに桃の香りがするチャーミングなリースリングである。

 

たまたま冷蔵庫に冷えていたアルザスの自然派メイエーのリースリングと比べることになったが、

個人的には一時期の新鮮さが消えていて、ひねている気がする。

落ちた感じはしないが、酸味が強くて糖度が低い。

この手の自然派ワインは、届いたらとっとと開けた方が良いのかも知れない。

開栓後だいぶ時間が経ってから、緑屋さんが突然「花崗岩だ!」と呟く チョットコワイ。

 

ジャッキー・トルショーは、公式には2005年で引退した今では幻の造り手だ。

15年くらい前、たまたま2004と2005を何本か手に入れた。

これまで開栓した2004の数本は、全て状態が万全でなく、おそらく熱入りと思われた。

だからこのワインも覚悟の上で開けたのだが、その通りだった。

 

キャップシールの下はトルショーの常で、カビがびっしり付いたコルク。

やや混濁した液体はわずかに茶色がかっている。

しかし炭火焼きのようなトルショー臭は健在?で、モクモクと漂ってくる。

ある意味田舎くさいが、村名ワインの何倍も匂ってくるので、さすがはグラン・クルである。

 

以上の3本のワインはいずれも今では市場にはほぼ皆無である。

お金を払っても買えないワインを開けているわけだが、もはやそんなことはどうでも良い。

こんなおかしな面々と、こんな楽しい時間が過ごせるのだから。

 

〆は昨晩に続いてラブワインさん持参のボルドーで、

マルゴーとは打って変わってさすがはラトゥール、紫色でタンニンがガチガチである。

グラスを回しながら楽しんだが時間切れ。

みんなが帰ったあと、夜遅くになってようやくフレンドリーになってきた。

ごちそうさまでした。

 

実に充実した2日間。

達人の皆さま、ありがとうございました。

 

 

ドメーヌ・パラン ブルゴーニュ 2017

購入日    20021年9月
開栓日    2022年7月
購入先    かわばた酒店
インポーター 八田
購入価格   2838円(税抜)

 

昨年購入したお気軽普段飲みブルゴーニュだが、これが驚くほど高品質で、

ピノ・ノワールの美点を体現している超お買い得ワインであった。

今確認しても、この価格はウソではないかと思う。

こんなものが去年販売されていたのが信じられない。

 

思えばこのブログを始めた2005年頃には、この価格でこのレベルのブルゴーニュは

掃いて捨てるほどあった。

だから次々と購入して記事にしたわけだが、隔世の感がある。

 

濃くて深いドメーヌ・ペロ・ミノのACブルゴーニュは2000円でいつでも買えたのだが、

今ではどこに行ったのだろう?

アンリ・ペロ・ミノは引退したようだが、後継者のACブルゴーニュは6500円で売っている。

 

定番にしていたドメーヌ・グロフィエのACブルゴーニュは、

2000年頃のヴィンテージが2800円くらいで手に入ったが、今では7000円を超えている。

すでに10年前に購入を止めてしまったので、毎年の特徴を語ることもできなくなった。

 

さて今回のパランだが、ベリー系の黒い果実の香り、キリリとした余韻、

滑らかな酒質と贅肉のない締まったボディなど、ピノ・ノワールの美点を備えている。

 

もはやこんな値段でこんなピノ・ノワールは滅多に手に入らない。

今からブルゴーニュを学ぼうという若い人は大変だろう。

17年前の3倍の費用がかかる。

グラン・クルともなると、5倍以上に跳ね上がっている。

 

今ではお宝になった自宅のセラーに寝ているワインを語ってもイヤミでしかない。

ブログが書けなくなったのもやむを得ないと思うこの頃である。

 

 

 

西梅田のヒルトンプラザウエスト

 

最近フレンチに行く機会が減ったが、久々に関東から同期生の友人が学会のため来阪したので

同期生3人で食事をすることになった。

家内も行ったことがある。ヒルトンプラザウエストの地下にある

「ヤサイフレンチノール」を初訪問した。

 

店の看板料理のたくさんの野菜の皿

かつて数回行った超高級フレンチ、hejimeをちょっと思い出す。

 

お洒落な内装と雰囲気、料理の見た目も洗練されており、若い女性客やカップルばかりである。

六本木の店あたりにいそうな、モデルのような美女も見かけた。

まあそれはどうでも良いが、この店のワインリストは充実していて値段もリーゾナブルである。

 

(右)ドメーヌ・カンタン・ジャノ(フィリップ・ジャノ) サントネ・プルミエ・クリュ パスタン

2019
開栓日    2022年6月16日
インポーター フィラディス
店での価格   11000円(税別)

 

最近外食でワインはほとんど飲まなくなった。

自宅にストックが山ほどあり、買値を知っているから暴騰したブルゴーニュを

高いお金を払って飲む気にならない。

 

しかしこの赤ワインはアタリであった。

繊細で品の良いピノ・ノワールの香りが立ち上がり、線の細い酸と小さな赤い果実がある。

失礼ながら、サントネでニュイのように洗練されたワインができるのだ、と感心した。

ブラインドだったら、オート・コート・ド・ニュイと言ってしまいそうだ。

 

これを勧めてくれた若いソムリエの店長・樋口裕太さんは非常に優秀で、

第一印象だけではない奥ゆかしいワインを愛しておられることがよく分かった。

 

早速家に帰って、フィラディスワインクラブのネットショップを探し、

2本残っていた在庫を購入した。4,137円であった。

店での値付けも良心的と言って良いだろう。

 

ヤサイフレンチノールは、美女とは縁のないおっさんにもお勧めの店である。

 

ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ シャンボール・ミュジュニー 2003

購入日    2005年12月
開栓日    2022年4月
購入先    ヴェリタス
インポーター サントリー
購入価格   11800円(税抜)

 

外食の機会が減っている上に、和食の店に行くことが多く、フレンチの店に行くことは少なくなった。

自宅では、決まったシャンパーニュ(タルランのブリュット・ゼロと

ベレッシュのブリュット・レゼルブ)と、決まった日本酒(白糸55)以外はほとんど飲まなくなった。

 

時々浮気心を出して、イタリアワインやマニアックな南フランスのビオワインを

スポットで購入して開けているが、完全にアウェー気分で、

1本1人で開けるのが苦痛なワインがほとんどだ。

 

もはや価格が高止まりしているブルゴーニュを新たに購入することはしていない。

今回開けたワインも、購入したのは17年前。

このブログを始めた頃に購入し、ずっとセラーに寝ていたものである。

 

このワイン、過去3年くらいのうちに開けたワインで、断トツに素晴らしい。

ろくでもないワインしか飲んでいなかったのかも知れないが(^^ゞ。

 

シャンボール・ミュジュニーの個性を体現している滅多に出会わない王道のワインで、

蠱惑的な香りと長く続く余韻、柔らかな舌触りとまろやかな酸など、あらゆる要素を纏っている。

ちょっとかび臭い、独特のヴォギュエ香は感じなかった。

 

状態は極めて健全で、今が飲み頃であり、あと何年も飲み頃が続くだろう。

これが村名畑なのだから驚く。

10年以上前にヴォギュエのミュジニーや1級ものを開けた記憶があるが、

今回のワインの方が上質である。

 

ヴォギュエの村名は、2000年代半ばのヴィンテージでも新しいヴィンテージでも

5〜6万円の値付けがされている。

もちろん今さらそんなものを買うつもりはない。

 

価格が高くなりすぎて、ブルゴーニュワインの感想を書いても

それを追体験できる時代ではなくなっているのだ。

この17年という時間は、ブルゴーニュワイン市場に大きな変化をもたらした、と言える。

 

 

 

Appleの Mac Studio と Studio Display

 

電子カルテをMacで動くDopanet Doctorsにしてはや10年以上が経過した。

診察室のMacは、これまでずっとiMac 27インチを使用してきた。

 

10年で4台交換して使用してきたが、今回Mac Studioに交換した。

Mac miniと高さが違うだけで、底面積は同じである。

iMacのように一体型ではないので、モニタとしてStudio Displayを同時に購入した。

 

AppleがMac StudioとStudio Displayを世界同時予約開始したのが

日本時間2022年3月9日午前3時で、発売日は3月18日である。

わたしがApple storeで注文したのが予約開始日の午後9時。

予約受付開始18時間後である。

 

Studio Displayが届いたのが3月18日、Mac Studioが届いたのが4月1日であった。

予約殺到したのと、SSDを2TBにしたので、Mac Studioの到着が遅れたようだ。

 

これまで使用してきた iMac 27

1) iMac 27 初代のiMac 27 2009年 熱くなる分厚いモデル 1年半使用で売却

2)  iMac 27  Late 2012 2年くらい使用

3) iMac 27 Late 2014  5K Intel Corei5 メモリ8GB

4 iMac 27 Late 2019  5K Intel Corei9 8コア メモリ16GB、フュージョンドライブ 2TB

 

電子カルテとして診察室で1日8時間くらい使用し、デジタル顕微鏡の画像表示も行う。

同時に個人用のパソコンとしても使用しつつ診療し、一度に多くのアプリを立ち上げるので、

高性能であることは必須である。

 

2019年に、当時としてはiMacの最高のスペックであったCore i9 8コアモデルを購入したが、

立ち上がりが遅いし、もたつき感があり、前機種と比べて体感的に速くなった気がしなかった。

 

光ファイバーの品質は可もなく不可もなし。

LANに問題があるかと思い、Panasonicの技術者であった優秀な後輩に来てもらって

調べてもらったが、大きく改善すべき点は見つからず。

 

その後AppleシリコンであるM1チップを搭載したiMac 24に交換することも考慮したが、

さほど高性能ではなく、ディスプレイが少し小さい。

M1チップを搭載のMac miniも考慮したが、適当な5Kディスプレイが存在しない。

LGの27インチ 5Kディスプレイはデザインが気に入らないし、15万円もする。

 

そこで今回 Mac Studioに飛びついたわけだが、CPUはM1 Max、

メモリは標準で32GB、SSDは2TBとした。

合計で315,800円(税込)

 

同時に購入した27インチStudio Displayは、199,800円もする。

ものすごく高いと思うが、非常に美しい画像を出せるモニタで、何年も使うのだから後悔はしない。

 

セットアップを済ませて2週間使ったが、このパソコンの速度はめちゃくちゃ速い。

たかが電子カルテ用のパソコンで、高画質の動画編集を行うのではないのに

こんな高性能機は不要だと思われるかも知れないが、それは大間違いだ。

体感的な速度改善は、自転車からフェラーリに乗り換えた気分だ。

フェラーリに乗ったことはないけれど。

 

Mac Studioを導入してから、患者1人あたりの診察時間が1分短縮した。

1日単位で考えると、毎日の診察時間が60分くらい短縮した。

これは大きい。


時間を金で買ったと考えると、こんな安い買い物はない。