新・しみつの京都 甘味処編・・その1「上賀茂神社のやきもち」 | ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

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テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

近隣に高校の同期生で元商社マンのSが住んでいて、家族ぐるみで仲良くしている。

彼は食に強い関心があり、もめんに欠員があった際にはよく代役で参加してもらっている。

非常に世話好きなので、ミニ同窓会の幹事はいつも彼の役割だ。

 

10人程度のミニ同窓会の際、彼は「お土産」と称する和菓子を全員に持たせてくれる。

同窓会の会費にはその「お土産」代も入っているので、

正確には「お土産」ではなく「押し売り」なのだが、まあそれは良しとしよう。

 

過去2回のお土産は以下だが、いずれもとても美味しかった。

泉州貝塚の塩五の「村雨」 1本 550円 (写真はHPから)

 

 

三重県伊勢市の虎屋ういろ 1本 500円 (写真はHPから)

 

両店とも百貨店の催事にときどき出店しており、彼は賢く百貨店で購入してくる。

村雨はうめだ阪急、虎屋のういろは千里阪急で買ってきてくれた。

これらの和菓子は2〜3日日持ちするので、店のサイトから通販でも買える。

 

日持ちするとは言え、ことに村雨は徐々に潤いが無くなり、ボソボソしてくるので、

できるだけ早く食した方が望ましいのは言うまでもない。

 

彼とはよく和菓子の話をするのだが、商社マンとして海外生活が長いため、

小学校卒業後大阪から離れたことがないわたしほど、京都の和菓子には詳しくない。

要するに、百貨店で売っている和菓子には通じているが、

直接店に行ってそこでしか食べられない和菓子はあまり知らないのである。

 

そこで、和菓子への関心が深い彼に新しい世界を紹介すべく、

おっさん2人で「京都スイーツツアー」を敢行した。

 

上賀茂神社の鳥居

 

上賀茂神社鳥居前にある 神馬堂 看板には「ちもいおあ(葵餅)」とある

 

2023年2月11日(土・休日)、まだ暗い朝6:40に家を出て、阪急電車で京都に向かった。

そんなに早く出発した理由は、上賀茂のやきもち屋である「神馬堂」が朝7:00から開店している

からである。

 

地下鉄北大路駅から住宅街を歩くこと20分、8:30に上賀茂神社の鳥居前に着いた。

神馬堂のやきもちはここでしか販売しておらず、持ち帰りのみである。

11時くらいになると売り切れていることもあるそうなので、早めに出かけたのだ。

 

1個130円の神馬堂のやきもちを購入し、店の前で立ち食いするがとても美味しい。

朝抜きで空腹であったため、2個食べてしまった。

 

上賀茂神社の境内にはもう1軒「葵屋やきもち総本舗」という店があるが、

葵屋の店構えは新しくて立派であった。

まだ開店時間の9時になっていなかったが、すでに店は開いていた。

 

こちらは百貨店にも出品しており、通販でも買える。

食べログなどの感想を読んでみると、いずれも美味しいとなっているが、

自分で検証しないと何とも言えない。

店の人の話では、神馬堂と異なり、店内では焼いておらず持ち込んでいるのだそうだ。

 

ビニール包装されたやきもちを購入し、その場で立ち食い。

こちらは1個125円で、少し皮も餡も薄めで柔らかく、美味しいのだが餅の食感がまったく異なる。

 

左の4つが神馬堂、右の2つが葵屋のやきもち

 

自宅に持ち帰って家内と食したが、葵屋のやきもちは翌日になっても柔らかいのに対して、

神馬堂のやきもちは皮がかなり固くなっていた。おそらく昔ながらの作りをしているのだろう。

神馬堂のやきもちは翌日に焼いて食べたが、また違った美味しさがある。

 

この2店のやきもちは明らかに別物だ。

朝8時台から神馬堂には近所の人と思われるお客さんが出入りしていて、

2〜3個ずつの少量を買って行かれているようだった。

 

葵屋は、日持ちさせて流通させる餅ををこしらえていると思われる。

いずれが美味しいかは、個人の好みの問題だと思うが、

その場で食べるなら素朴な神馬堂・お土産にして配るなら葵屋、と書いておこう。

わたし個人的には、神馬堂の餅が好みである。

 

新・しみつの京都 甘味処編・・その2「今宮神社のあぶり餅」に続く。