ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

ワインな日々~ブルゴーニュの魅力~

テロワールにより造り手により 変幻の妙を見せるピノ・ノワールの神秘を探る

このブログは 「ワイン遍歴の終着点はブルゴーニュである」と
密かに確信しつつあるワイン好きのひとりごとである。

高名な評論家が何を言おうが 権威ある本に何と書かれてあろうが
そんなことは知ったことではございません。
信じるのは自分の五感のみ。
これは 長年音楽を聴いてきた経験からの自負である。

売らんがための美辞麗句はどこにでも存在する。
わたしは誰にも媚を売る必要がないから 駄目なものは駄目とはっきり書ける。
ただ 自分の未熟さを反省する謙虚さだけは失いたくない。

読者を増やす努力は一切しない。
ランキングにはまるで無関心。
読者のためのバイヤーズガイドを目指さない。

音楽を語ると敵が増えるが、酒を語ると友が増える。
今日もひとりでブルゴーニュを開栓して ひとりごとを語り始めよう。

ドメーヌ・ミシェル・ギィヤール ジュブレ・シャンベルタン VV ラ・プラティエール 2009

購入日    2014年5月
開栓日    2024年3月

購入先    ウメムラ・ワインセラー
インポーター オーレ・ジャパン
購入価格   4,060円(税別)

 

またしても「10年前にはこんなワインがこんな値段で手に入った」という話だが、

今でも7000〜9000円くらいで買えるようだ。

 

一口で言えば良い意味で気さくで、繊細ではなく大雑把、何となく土臭くて田舎っぽい。

何本か開けているが今回の印象も数年前と変わらない。

10年経っても落ちている気配がないのは立派である。

 

あくまで印象だが、液体がつるりとしていなくて、僅かにざらざらした感触があるとことろが

面白い。

このワインを今から追加注文するかと言われると、もういいかな、というのが正直のところである。

 

たまにはお高いワインを開けるのも良いが、ワインは日常の食事に合わせるものと思っているので、

今自宅にあるワインを時価で考えると目が眩む。

これからブルゴーニュを勉強しようとすればとんでもなく出費が嵩むので現実的でない。


自宅にはフーリエのグリオット・シャンベルタンや、ルジェのクロ・パラントゥーが

寝ていたりするが、こんなに市場価格が暴騰したワインの記事を書くとイヤミにしかならないので、

ブルゴーニュワインの記事が書けなくなった。

 

和食中心になり、シャンパーニュと日本酒を飲むことが多くなったが、

日々美味いものを食べていて満足度は高い。

 

レストランがリストに載せるワインも、この20年で大きく変化したように思う。

あまり行かなくなったが、個人のワインバーならグラス1000円くらいが妥当なところで、

ソムリエが勧めるワインを2〜3種類開けてみると、なるほどな、と思うことがある。

それでソムリエの個性と能力が分かる。

 

先日新年会で訪れた箕面のイタリアンで飲んだイタリアワインも、

調べるとボトルで2500円程度だったが、店の空気に溶け込んでいて美味しかった。

機会があれば購入して記事にしてみたい。

 

ドメーヌ・ドニ・モルテ ジュブレ・シャンベルタン メ・サンク・テロワール 2004

購入日    2008年2月
開栓日    2024年1月

購入先    ウメムラ・ワインセラー
インポーター ヴァンシュールヴァン・マスモト
購入価格   11,800円(税別)

 

15年以上前に購入したワインである。

評価が高かった2003と2005に挟まれた2004年は、線の細いヴィンテージとの評価が

なされていたが、15年も経過すると気にもならない。

 

20年経過した今も枯れることなく、引き締まったタンニンとバランスのよい果実がある。

まさに本格的なジュブレ・シャンベルタンである。

15年前には日常的にこんなワインが飲めたなあと懐かしく思ったが、価格は当時でも12,000円した。

やっぱりドニ・モルテは名実ともにジュブレ・シャンベルタンのトップレベルの造り手である。
 

このワインは、2006年に畑で拳銃自殺したらしいドニ・モルテの晩年のヴィンテージで、

ジュブレ・シャンベルタンの5つの村名畑のブドウを混醸したワインのようだ。

息子に引き継がれた現在も、まだこの名前のワインは造られている。

 

調べてみたら今でも17,000円くらいで買えるようだ。

15年で暴騰したフーリエと比べると、納得できる価格ではある。

最近のフーリエのブルゴーニュ・ルージュは10,000円近くするが、ちっとも美味しくない。

ジュブレ・シャンベルタン村名は今となっては2万円越えで、しかも入手困難になった。

 

そう考えると、このメ・サンク・テロワールは本格的なジュブレ・シャンベルタンを味わえる

お手頃なワインと言えるかもしれない。

 

 

 

 

今年も家内がこしらえた、毎年恒例のわが家の自家製おせちから

新居に移って7回目のお正月になる(今年も家内が写真を撮りました)

 

昨年と代わり映えしないが、義母の時代から毎年の恒例です。

 

大晦日の夜は、越前ガニ3杯 

 

1杯5000円弱なので、高くはないと思う。

浜ゆでの急速冷凍でそこそこ美味しいが、何と言っても蟹は生が一番。

今年も鳥取まで食べに行こうかな。ものすごく高くなっているのだけれど。

 

 

今年はずいぶん京都に傾倒した年であった。

京都の地元の方々となかなか予約が入らない「つか本」に数回訪問したが、

所詮わたしは大阪人で、いつも京都の事情を教えてもらっている。

 

さて、11月12日(日)に京都のことをほとんど知らない友人と京都を訪問した。

2月に今宮神社のあぶり餅や澤屋の粟餅処に一緒に行った友人である。

元商社マンの彼は、現役時代は海外勤務が多く、京都のことはあまり知らない。

 

京都の人には失笑されるのを承知で、今回は早朝から出町ふたばへ突撃。

この店は、1日中行列が途絶えることがない。

数ヶ月前にその友人が豆餅を買おうと訪問したらしいが、あまりの行列に驚愕して

購入を断念したこともあり、今回はリベンジを兼ねての訪問である。

 

ネットで調べると午前8時半開店となっているので、開店に間に合うように

自宅最寄り駅7:00発の電車に乗った。

 

京阪出町柳駅から鴨川を渡って歩いて行くと、すでに列ができている。

1分で3人くらいやって来るので、思わず駆け足になる。

 

午前8時26分 開店前だがすでに30人くらいは並んでいた

 

午前8時34分 開店して販売開始したところ

 

午前8時55分 店の中はかいがいしく動く店員さんが多数

 

午前9時00分 購入をすませたところ、列は3倍くらいに伸びていた

 

30分以上並んでゲットした餅

右から 定番の名代豆餅、季節商品の黒豆大福、新栗餅

 

豆餅はお馴染みだが、さすがに出来たては美味しい。

黒豆大福も美味しく、家内はこちらが好み。わたし個人的には豆餅の塩味が好き。

初めて食べた栗餅は、焼き栗の香ばしさが素晴らしい。

 

上七軒のおかみさんにこの話をしたら、

「(京都)高島屋で売ってますがな」と一蹴された。

 

大阪梅田の阪急でも定期的に売りに来るのは知っているが、

「いやあ、出来たては違いますよ」と負け惜しみを言うしかない。

 

早起きは三文の得?

ベルナール・デュガ・ピィ ジュブレ・シャンベルタン VV 2014

購入日    2023年10月
開栓日    2023年11月

購入先    WINE NAVI
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   12,132円

 

会員制ワインショップのWINE NAVIで購入したワイン。

今頃2014年のワインを売っていることにまず驚くが、このワイン以外にも

2010年代のブルゴーニュやボルドーが幾種類もリストにあり、価格もリーゾナブルだ。

 

さて、久々のデュガ・ピィのジュブレ・シャンベルタンである。

デュガ・ピィはジュブレ・シャンベルタン以外の畑をほとんど持っていないらしく、

生産数も少ないので見かける機会が少ない。

 

開け頃だと思って開栓したが、予想より大人しくて、あまりジュブレ・シャンベルタンらしくない。

もう少しボディが強くて骨太かと勝手に想像していたので、ちょっと拍子抜けした。

線が細めだが、よく言えばたおやかではある。

 

良き畑と良き造り手の賜物か、翌日以降もほとんど落ちていかない。

和食が多くなったせいか、ピノ・ノワールを開栓する機会が減っているが、

開けるとこの酸がいとおしい。

 

この造り手の上級キュヴェには興味が尽きないが、なにせ市場に少なく、

価格も優しくないので、なかなか手が出ない。

WINE NAVIにはまだまだ掘り出し物がありそうなので、もうちょっと探してみようかと思う。

 

 

ビストロ・ド・ヨシモト 中津 2023年10月9日 訪問

 

コロナ禍で外食が減っていたが、ここにきて4年前のように平常な日々が戻ってきた。

もちろんコロナウィルスが消えているわけではないので、個人的には公共交通機関利用時などには

常にマスクをしている。

 

レストラン、料亭などは大衆店と高級店に二極化し、高級店の値上がりが著しい。

ちょっと洒落たフレンチで美味しいものを食べるなら1万円ではまず足らない。

わたしが普段飲みしているワインを店で開けようものなら3万円でも足らない。

 

京都の割烹では、滅茶苦茶に価格を上げている店が出てきているという噂があり、

7万円以上(もちろん1人)払ったという話も聞く。

割烹の価格は円高ドル安とは直接関係ないはずだが、恐ろしくて足を踏み入れられない。

 

休日のランチなどで、5000円程度で美味しいものを食べたい。

人が集まる千里中央には、1000円でコスパの良い店はあるが、

5000円でそれなりの食事ができる店はほとんどない。

北摂で富裕層が多いと言われる千里中央なのに不思議ではある。

 

タイトルの店は、そんな千里中央から北大阪急行・地下鉄に乗って20分弱の中津にある

ビストロである。

店構えは立派ではなく、店内は狭いが、料理は見栄えも味も美味しい。

 

この日は家内の誕生記念だったので、ちょっと高めの6930円のランチとしたが、

メインは鴨料理であった。

 

アンリ・フェレティグ シャンボール・ミュジュニー ヴィエーニュ・ヴィーニュ 2018

ワインの正確な価格は失念したが、10000円くらい。

店の価格としてはリーゾナブルである。

 

2か月前に京都中心部のフレンチに友人たちと5000円のランチを食べに行ったが、

ヨシモトの方が圧倒的に料理のレベルは上だった。

 

どうして北摂にこんな店がなかなか見つからないのか、謎である。

ご存じの方がおられたら、ぜひ情報が欲しいと思う。

 

 

カーヴ ド リュニー  ブルゴーニュ  ピノノワール  2020

購入日    不詳(2022年頃)
開栓日    2023年9月

購入先    知人からのお歳暮で頂いた
インポーター 徳岡
購入価格   赤白2本で5000円の歳暮用商品

 

前回のピノ・ノワールとセットになったお歳暮商品である。

この生産者については、モトックスのHPに詳しい。

知らなかったが、相当大規模な生産者のようである。

 

・設立は1926年。その後、生産者としてのポリシーを同じくしたリュニーとサン・ジョングー・ド・シセの2つが1966年に統合

・約1400ヘクタールという膨大な畑を擁し、フランスAOCワイン生産者で10指に数えられる規模。
・年間約1300万本に相当するワインを生産しており、ブルゴーニュ最大級の規模。
 (うち自社のラベルで瓶詰めされるのは約600万本。他は桶売りなど)
・ブルゴーニュの白ワイン総生産量の約10%を占める最大級の生産者
・マコネ地区のワイン総生産量の約30%を占める最大級の生産者

 

ブルゴーニュの南の方のワインだけあって、果実味豊かなのは当然として、

まるでカリフォルニアのシャルドネのようにトロピカルで、パイナップルの香りがする。

若飲みでどんどん飲むタイプで、じっくりグラスを傾けて香りの移ろいを楽しむワインではない。

ふくよかだが、さすがに3日目になると渋みが出てくるのも予定通り。

 

ピノ・ノワールはウメムラワインセラーで1980円で売っている。

同じラベルのシャルドネはネットショップでは見当たらないが、

ラベル違いのカーヴ・ド・リュニー シャルドネは、2000円以下で売っているようだ。

 

個人的には北の方のシャブリのように線が細くて酸味がシャープなシャルドネが好みだが、

南のピノ・ノワールは頂けないが、シャルドネには抵抗がない。

あっけらかんと飲むには適したワインだろう。

 

 

カーヴ ド リュニー  ブルゴーニュ  ピノノワール  2020

購入日    不詳(2022年頃)
開栓日    2023年8月18日

購入先    知人からのお歳暮で頂いた
インポーター 徳岡
購入価格   赤白2本で5000円の歳暮用商品

 

今もネットでは2750円で売っており、お気軽に買えるブルゴーニュである。

良くも悪くも普通の赤ワイン、と言えば良いだろうか。

https://item.rakuten.co.jp/wine-net/69433/

 

まいどお金の話になり恐縮だが、15〜20年くらい前だったらこのお金を払えば、

アンリ・ペロミノのACブルゴーニュが買えたし、グロフィエのACブルゴーニュも買えた。

日本人の収入は増えていないが、世界が市場のブルゴーニュワインは着々と価格上昇している。

 

ちなみに、新しいヴィンテージ2021のグロフィエのACブルゴーニュは、

ウメムラワインセラーで10,600円!になっている。

10年少しで3倍になっているわけだ。わたしは2013あたりから購入していない。

 

2002が1780円で買えたドメーヌ・ペロミノ(アンリからクリストフへ)のACブルゴーニュは、

今や影も形も無い。

ネット市場で見つかるのは、5万円もする上級キュヴェだけだ。

 

 

さて今回のワインだが、一口飲んだだけで南の方の畑と分かる。

黒系果実が感じられて濃いめで土臭く、田舎っぽくて洗練されない。

「Saint-Gengoux-de-Scisse村の畑の葡萄だけを厳選して作られた」とあるが、

ボーヌよりかなり南で、マコンに近い村のようだ。

 

よく言えば素朴で、ボディもしっかりしているが、酸性人のわたしの好みではない。

ニュイのACブルゴーニュは遠くなりにけり。

 

 

 

アルベール・モロ ボーヌ 1er. ブレッサンド  2015

購入日    不詳(2017年頃)
開栓日    2023年8月11日
購入先    不詳
インポーター ラック・コーポレーション
購入価格   不詳

 

8月10日から診療所を盆休みにし、同日には恒例のドックに行った。

例によってバリウムを飲んで上部消化管の検査を受けたが、今年は翌日までバリウムが出ず、

1〜2日はまともな食生活から離れてしまう。

 

昨年には2時間あまりで大半が体外に出たが今年はずいぶん遅かった。

幸い翌日にはほぼ全排出したようで、食生活が元に戻った。

 

そこで開けたのがこのワインである。

夏はピノ・ノワールが美味しい季節ではなく、もっぱら安めのシャンパーニュばかり開けているが、

料理によってボチボチピノ・ノワールを選ぶことがある。

 

アルベール・モロはボーヌの有名で堅実な造り手だと認識しているが、

探したが購入歴が見つからず、いつから自宅にあるか分からないワインである。

ニュイとは一線を画したワインで、酸も穏やかで黒系果実系の香味を感じる。

1級畑だけあってしっかりしたボディを有するが気品を保っている。

 

かなり熟成に向いた造りであり、現在でもまだ若開けであり、

今後10年くらいは余裕で保管できそうだ。

 

今の価格を調べてみると、2010年が8600円ほどで売られている。

ブルゴーニュのピノ・ノワールが軒並み高騰し、10年前まで沢山買えたワインが高嶺の花になった

現在、このレベルのワインがこの価格なのはありがたい。

 

ただ、わたしはやはりボーヌよりニュイの畑が好きなので、

この造り手のワインを今後も続けて買い続けることはないだろうなあ、と思った。

他の物価が上がらない30年間だったのに、ワインの価格に関しては厄介な時代になったものだ。

 

 

 

ミュニュレ・ジブール エシェゾー  2006

購入日    2008年9月
開栓日    2023年7月15日
購入先    かわばた酒店
インポーター 八田
購入価格   15,980円(税別)

 

7月15日にセミナーがあり、東京から大学講師の女医さんを招いて講演してもらった。

この先生は10年以上前から知り合いの専門医で、学会ではいつも同じセッションにいるため、

顔なじみである。

 

学会場でよく意見交換しているが、内容は医学の話ではなく、ワインの話がほとんどだ。

そう、この先生は根っからのピノ・ノワール好きなのである。

 

暑い中わざわざ東京からお越し頂いたので、本町のル・コントワール・デュ・グーで

美味しいフレンチを食べながらピノ・ノワールを飲むことにした。

持ち込んだのがこのエシェゾーである。

 

同じワインの2005は今年の3月に自宅で開けたが、まだまだ保存しても充分楽しめる

素晴らしいピノ・ノワールだったので、比較の意味で2006を持ち込んだのである。

 

ふくよかだった2005と比べると、この2006はかなり線が細く、

僅かにタンニンの芯が残っている気がした。

第一印象はまだまだ若く、時間を置いて少しずつ開いてくるが、

あと5年した方がもっと柔らかくなるだろうと思った。

 

しかし2005とは特徴が違って柔らかで果実味豊かにはならないと思われた。

保存状態も万全だったので、2005と2006のヴィンテージの違いが明確に認識できたのは

収穫であった。

 

現在の価格のことは何も考えずに持ち込んだのだが、店に行ってから値段を見たら

恐ろしいことになっていた。

この2006の現在のネット価格は248,000円である。

(今再確認したら市場から消えているが、売り切れたのだろうか)

 

最新ヴィンテージ2019の現在の価格は248,000円である。

まあこれだけ出せば今でも買えるわけだが、一体誰が買うのだろう。

 

自宅にストックしているワインの現在価格を調べたら、勿体なくて飲めなくなってしまう。

この15年でワインを取り巻く環境がここまで変わるとは驚くしかない。